第30回 バレンタイン監督

関東まで梅雨明けしたのに、今日の福島は雨で蒸し暑い、東北の梅雨明けはもう少しお預けのようです。

先日、NHKの番組でプロ野球、千葉ロッテ・マリーンズのボビー・バレンタイン監督の人材活用術が紹介されていました。現在ロッテは、ソフトバンクに次いでパリーグ2位、今年から始まったセリーグとの交流戦で優勝するなど勢いがあり、31年ぶりのリーグ優勝をめざしています。監督がロッテの監督を務めるのは今回が2回目、1995年は前年度5位から2位へチームを躍進させました。今年になって大型トレードを行ったわけではなく、ロッテの年俸総額は約19億円で巨人の約半分です。監督が、選手の能力を引き出すのにどのように選手たちと接しているのかを番組は紹介していました。

監督が部下の能力を引き出すために番組で紹介していたのは、次の3つでした。

(1)選手が失敗したときこそ信頼の言葉を。
声をかけるのは怒鳴る為ではありません、失敗した選手を怒鳴って萎縮させてもしょうがない、その選手のやる気を出すように声をかけるのだそうです。選手も自分の失敗でチームが負けたことを十分理解しており、次回はぜひ監督を勝たせたいと奮起します。

(2)好成績の選手ほど休ませろ。
当然成績が良い選手は、次の試合も先発で使うはずですが、監督は野手であっても当日の選手のコンディションを見て先発を決定します。監督は、好成績の選手ばかり使用していたのでは、リーグ戦後半の本当に必要なときに選手が使えないと考えています。一方成績の良い選手はもっと監督に認められたくて、出場できなかった次の試合は活躍するのです。

(3)自分の喜怒哀楽は自分の武器として使え。
番組では試合の途中でリードしていても、試合が終わるまで試合に集中し、選手を慢心させていませんでした。

選手の自主性を大切にするのはサッカー日本代表のジーコ監督と共通するのかもしれません。その一方で厳格な門限を設けるなど厳しい側面を持っています。さらに、1995年当時の主力で今は力が落ちたベテランに、目立たないが価値のある仕事を与え、それを納得させて働かせる。「たとえベストの人材が揃わなくても、今のチームからベストのプレイを引き出せば必ず勝てる」という監督の言葉には、スポーツだけではなくビジネスの世界でも通用する部下の能力を引き出す人材活用術が含まれているのかもしれません。やっぱり怒ってばかりいても社員は働かないんですよね…。

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