第26回 成果主義

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いよいよ師走となり今年もわずかとなりました。先日、私が卒業した大学で、OBの公認会計士による同窓会がありはるばる出席してきました。集まったのは約20人ほどでしたが、金融庁へ出向した会計士の講演等もあり、最新の金融機関を取り巻く監査の現状を一部垣間見た気がしました。

 さて、最近クライアントから質問される話で多いのが給与の見直しの話です。第一の目的としては人件費総額の抑制ですが、第二の目的としてはリストラを進め人員を大幅に減らしたので、その後残った従業員を業績・功績で適性に判断し給与に差をつけたいというものです。このような業績・功績により給与を決定する方法を「成果主義」と呼んでいます。最近の調査では従業員100人以上の企業の60%近くが成果主義を導入していますが、中小企業では導入している企業も少なく、公務員では全く導入されていないのが現状です。一人で営業を行っていれば、自分の獲得した数字(売上)が明確なので、その数字に基づいて自らの給与が決定されることに何の問題も無いと思います。自分の獲得した数字が正当に評価されていないと考えれば他社へ転職を考えるでしょうし、数字が獲得できなければリストラの対象にもなるでしょう。

 調査によれば、成果主義により評価された従業員の約30%の人が自らの評価への納得感が低下したと回答しています。また、仕事の成果や能力への評価に対する公平感についても約20%が以前に比べて低下したと答えています。

 仕事には、やりやすくて成果(数字)が出やすいものと、難しくてなかなか成果が出にくいものがあります。客観的な成果による評価に徹すれば、だれでも高い目標への挑戦を避けクリヤできる目標しか設定しなくなり、簡単で数字が上がりやすい仕事しかしなくなるのは当然でしょう。

 人間が仕事をするのにはいろいろな要因があります。給与も重要な要因でしょうが、難しい仕事にチャレンジすることにより仕事に対する責任感が生まれやりがいや面白さを見出し、仕事に対するモチベーションが高まることになります。どんなに難しい仕事でも同じ仕事を繰り返し行っていたのでは必ず厭きてくるものです。そのため大企業では厭きたころを見はかり人事異動により、管理職への昇進や別のポストへの異動を行うことになります。職種の幅が少ない中小企業の場合には、自ら仕事の質や効率を高めたり、新しい仕事を探さなければ会社の競争力が低下するのは当然のことでしょう。

 会社の仕事はチームで行うものであり、これからの成果主義には、個性を持った従業員を束ねた組織で、高い目標を達成し、会社の競争力を高めることが必要になります。そのためには、成果だけでなく、そこに至るまでの経過を含めた評価制度を必ず設けるべきでしょう。