第21回 サービスの本質

先週は、郡山でも初雪が降りました、積もることはないようですが、猪苗代では、既に雪景色のようです。

さて、先日、書店で「サービスの天才たち」(新潮新書)という本を購入しました。私もサービス業に身を置いているので、タイトルが気になり購入したようなものです。

この本の中では、理髪師、高齢者施設の料理人、ゴルフ場のキャディ、温泉カメラマン、マッサージ師、タクシー運転手という6人のサービスの達人と一頭の種牛の物語が掲載されています。どの人(牛)の話も、自分の提供するサービスに対する考え方が大変面白く、クライアントの心を虜にするサービスの極意が紹介されており、一気に読み終えることができました。考えてみれば、どのような仕事に就こうが、最終的には、クライアントに対してサービスを提供し、金を貰って商売になるのであり、言ってみれば会社のあらゆる部署の従業員がサービス業に従事していると言えるのではないでしょうか。確かに以前は、公務員の中にも、誰に対して仕事をしているのかわからず、踏ん反り返って仕事をしている人もいましたが、いまやサービス業であることを再確認し、住民のサービスに役立つため、土曜・日曜のサービスについてもその一部について実施するようになりました。今は、どんな人でも「自分はサービス業に携わる人間だ」という自覚がないと生き残りづらい世の中になっていると思います。

この本に紹介されているどの人の話も面白いのですが特に、面白いのが理髪師の話です。この人は高輪にあるホテルパシフィック東京の二階にある床屋の主人であり、この床屋には俳優の高倉健が20数年間、頻繁にやって来て髪の毛を切ってもらうのだそうです。映画のロケで3ヶ月間アフリカに行った時にも、そのロケ中に3回髪の毛を切るためだけにアフリカに駆けつけたそうです。その床屋の通常の調髪料は8,000円、私のようにMr.カットマンで2,100円しか払わない人間には高い金額だなと思いましたが、それだけの金を払ってもやってくる客がいる床屋のサービスの内容が何なのか気になるところです。その主人は、気が合わない客の髪を切るのが嫌で、たとえ紹介された客でも、この人は自分と気が会わないと思えば部屋に閉じこもってしまい代わりに従業員に仕事を任せます。刃物を扱う仕事だから、性格が合わない人のひげを剃るなんて危なくてやれないのだそうです。こんな仕事のやり方は確かに名刺を当たり構わずばら撒いて営業をするやり方とは異質ですが、嫌なことをやっても心がこもらないと「いい仕事」にならないということなのでしょう。

この本を読み終えてから、私のクライアントが、私のサービスにどれだけ満足しているかも重要ですが、いかに自分がそのサービスを提供して満足したかも重要なことだと思いました。皆様も年末、年始の期間に一度読んでみてください。自分のサービスの内容を再考するいい機会なのではないでしょうか。

今年もお付き合いいただき有難うございました。来年も宜しくお願い申し上げます。

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