第11回 良い競争・悪い競争

明けましておめでとうございます。本年も宜しくお願い申し上げます。

さて、先日の日曜日の午前中、テレビで、日本の中小企業の特集が行われていました。田原総一郎が、メインキャスターの番組なのでご覧になった方も多いのではないでしょうか。そのなかで、3社ほど紹介していましたが、私が見たのは後半の2社だけでした。紹介していた会社は全て製造業です。1社は、高度(精密)な金型により部品を製造する会社で、もう1社は、鞄の製造会社です。製造業と聞いて我々がイメージするのは、どちらも価格競争で単価の引下げに苦労している構造的な不況業種ですが、両社とも、自社の品質・技術を前面に押し出し他社に真似できない製品を作り上げ、業績はいたって好調だそうです。

この番組の最後に、キャスターが、会社が行う競争で、「良い競争」と「悪い競争」があるということで以下のようなまとめ方をしていました。

良い競争悪い競争
品質価格
技術規模
財務内容品揃え

この表は、現在の世の中で、会社が勝ち抜く(生き残る)術を実に良く表しています。実際、価格競争事業規模の競争品揃えの競争に巻き込まれた会社の場合、最後に生き残るのは大手の資本を有する会社だけで、中小企業はとても太刀打ちできません。ところが、先程のように自社の製品の品質と技術による競争であれば、小さな会社ほど競争に打ち勝てます。たしかに、大企業の意思決定システムは時間がかかり、俊敏な判断を必要とする局面で役に立っていません。経営資源(人・物・金・情報)を自分の得意分野に集中させることができる中小企業であるからこそ、これからの世の中を生き抜いていけるのかもしれません。

さらに、品質・技術だけでなく、財務内容の競争も重要です。多くの会社が、自社の経営に必要としない株式・不動産を大量に所有しています。それらは利益を獲得しないばかりか、それと見合いの借入金の元金・利息の支払により、会社の利益を圧迫しています。さらに、それらの時価は、簿価を大幅に下回り、処分しようとしても処分できないのが実情なのです。本当に財務内容を良くしようとして、それらを処分するのであれば、損失は発生しても将来的に良い方向に向かうのではないでしょうか。

今年は、「未年」。この「未」という文字は、木がグングン成長して、成長の限界に達したという意味があるそうです。これまで起こってきた世界のいろいろな動きが、限界にたどり着き、これから先が読めない年だそうです。そのような年だからこそ、自分の足元を固め一歩一歩歩んでいく必要があります。それではまた今年も宜しくお願いします。

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