第4回 最近読んだ面白い本

連日暑い日が続く異常気象ですが、東北地方も入梅となりやっと涼しくなりました。ただ、今は、ゴールデンタイムにちょうどワールドカップが開催されているので、仕事がはかどらず、困ってしまいます。しかし前回優勝のフランスが1次リーグで敗退してしまうほど、各国の実力が均等しており本当に面白い試合が多いと思いました。

さて、テレビとは話が変わりますが、最近本屋で面白い本を見つけたので、ご紹介したいと思います。本のタイトルは「社長のための失敗学」著者は、畑村洋太郎氏、出版社は、日本実業出版社です。内容は、タイトルにもあるように社長の失敗体験を紹介した本です。失敗体験を紹介した本であれば、雑誌などの連載で多数紹介されていますが、この本の面白いところは、社長の失敗談を社長自身の言葉で紹介しているのと、その失敗談に対する著者の分析を紹介していることです。失敗の原因を分析し、大きく分けて10の原因に分類しています。その原因には、「無知」、「不注意」、「手順の不順守」等あるのですが、なるほど読んでみると面白い分類です。

本のあとがきにも書いてあることですが、著者は、もともと東大工学部の出身で、その研究室のOBたちが、設計等の研究時に失敗したとき、自分の失敗を分析・分類したのが始まりだそうです。著者は、その失敗原因の分類が、実は、大変普遍的な意味を持っており、経営の世界を含む人間の行動全般に当てはめることが出来ると記載しています。この本は、「社長のための失敗学」というタイトルですが、確かに社長だけではなく、サラリーマンを含むあらゆるビジネスシーンに適用できると思いました。

失敗に関する知識も、単に持っているだけでは役に立ちません。自分ならそのような立場に至った場合どのように行動するかというところにまで考えが至って、初めて有用なものとなります。失敗の事例から学び、その行動に役立てることが大事なのです。そのため、著者は 「仮想演習」という方法を紹介しています。つまり、社長たる者、事が起こる前にあらゆる事態を考え尽くすということです。考え、調べ、決断し、さらに覚悟を決めた上で社員を引き連れて踏み出さなければならず、事が起こってから考えるのでは、遅いということです。通常、社長であればこのような方法で、行動していると思いますが、たまに、私のクライアントでも、得意先の不良債権をつかまされたような状況に陥った会社を見ていると、もう少し相手の素性を調べてから取引すべきではなかったのかと思われるケース(分類で言えば「不注意」または「調査・検討の不足」)があります。

ビジネスには絶えずリスクが絡みますが、少しでも、そのリスクを軽減させる為に、過去の失敗の事例から学ぶことが大切だと思います。時間があれば、ぜひ一読したい本だと思いました。

さあ、ワールドカップ見よう!

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