第11回 「でんさいネット」 

最近、お客様のところで銀行系の電子決済について耳にすることが多く、今回はこの電子決済サービスについてお話ししたいと思います。
銀行系の電子決済サービスとは「でんさいネット」といい、全国銀行協会が「株式会社全銀電子債権ネットワーク」を設立し、手形を電子化した電子記録債権(以下でんさい)をインターネット上で取り扱うサービスです。

<でんさいネットの取引イメージ>

STEP1発生記録...支払企業が「"でんさい"で支払います。」または納入企業が「"でんさい"で支払ってください。」
STEP2譲渡記録...納入企業(下請業者)が納入企業(孫請業者)へ「○社の"でんさい"で支払ってもいいですか?」
STEP3支払等記録...支払期日に自動送金(支払企業から引落し、納入業者へ払込む)されます。

でんさいネットの詳しい内容については全銀電子債権ネットワークをご覧ください。

でんさいネットを利用すると
①ペーパーレス(インターネットやFAXで支払情報を登録)だから送料不要
②手形と異なり印紙税が課税されない
③支払期日に口座に自動入金されるので取り立て手続きがいらない
④受け取った"でんさい"を使って、そのまま支払いができる
⑤ペーパーレスだから紛失や盗難の心配がない
など、コスト削減と事務作業の軽減といったメリットがあります。

但し、でんさいネットは取引を行う両者がサービスに加入していないと運用できません。そうなると一部はでんさいネット、一部は現状通りの手形管理となると中途半端になり、却って事務作業が煩雑になってしまいます。
こういったことから、企業によっては「でんさいネットじゃないと取引しない」といった条件を付けてくるかもしれません。
企業間の格差をなくし、お互いにメリットを享受するためには猶予期間は設けても選択肢をなくし、一斉に切り替えることが必要です。(決して"でんさいネット"のまわしものではありません、あしからず)
そのためにもサービスを提供する側も普及させるための努力をしてほしいと思います。といいますのも、EB(エレクトロニックバンキング[注1])とデータ連携するシステムを構築する際、利用する金融機関によってインターフェースが異なるため、利用者は操作手順を複数覚えなければならないからです。金融機関が異なるたびに、利用者の利便性に考慮し統一していただきたいと切に願っています。


注1
EB(エレクロニックバンキング)
電話回線やインターネットを利用して口座の残高照会や振込などを行うこと
基幹システムで作成した振込支払データをEBへ送信する、EBの振込入金データを基幹システムへ取込などのデータ連携が行え事務作業の効率化が図れます(もちろん、でんさいネットの対応可能)

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