第14回 良い提案を行うには...?

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一昔前の営業スタイルは商品の説明をすれば買ってもらえましたが、最近では単に商品の説明をしただけでは買ってもらえません。
以前は売り手が豊富な情報を持ち、買い手は売り手からの情報で購入を決めていました。現在は買い手のほうも多くの情報を持っていて売り手(商品)を選択できるようになったからです。

コンピューターも同様で、昔はある程度専門の知識がなければ選択することは難しかった商品です。今では様々な情報が流れており、一般の方たちも相当詳しくなっています。冒頭でも言いましたが、一方的に売りたい商品の説明をしても売れません。
買ってもらうためにその商品を使うとどんな成果が得られるのか?が求められます。売り手は商品情報だけでなく、成果を生み出すための知識・情報とその仕組みを考える力が必要となりました。所謂、提案型営業というスタイルです。
私たちが販売している情報システムは、この提案型でなければ、お客様の望むシステムを構築することはできません。CSHは30数年前からこのスタイルで営業活動を行っています。

お客様の望むものは、お客様自身にしかわかりませんが、情報システムとなると具体的な形を成していないことが多いように思います。
ですから、時々「私たちはシステムのことはよくわかりませんから、プロのあなたからベストの提案をしてください。」といわれることがあります。お客様のことを何も知らないのに...です。これではベストの提案などできるはずもなく、一般的な理想のシステムの提案になってしまいます。そのような提案はお客様が納得するはずがありませんよね。
また、「実現できそうなシステム」と「実現できるシステム」とは大きく違います。技術的に満点のシステムが、必ずしもお客様にベストフィットしたシステムとは限らないからです。

では、どのようにすれば最善のシステムを導き出すことができるのでしょうか?お客様とのやり取り中からお客様の望むことを掴みとる事が先ず大切です。

手法としては、まず現状の業務内容や業務の流れを聞き取りまとめます。次にその流れに沿って何をどうしたいといった要望を出してもらい、そこから、どこにどのような課題・問題があるかを深堀りしていきます。
この過程で重要になってくるのは、聞く技術です。経験が浅いとお客様に何を聞いていいのかわからず、聞くことを予め決めてしまいます。
そうするとお客様は質問されたことにだけ答えるため、それ以外のことを聞くことができません。本当は知らなくてはいけないことが漏れてしまい、的外れの提案になるか、納品してから「これができない」といった状況になってしまいます。
それを防ぐために、話の流れに応じた質問をしていかなくてはいけません。そうでないとより良いシステム提案にはたどり着けない。
また、お客様は自分たちが当たり前のことは話しません。私たちも知っていて当たり前のことをわざわざ話したりはしませんよね。
ですから、聞き手は業界の最低知識を身に付けない限り、良き提案はできないのです。
それではどうするか?
すべてを漏れなく聞くことは難しいので、ポイントとなることやその会社の常識は業務の流れを説明してもらいながら、疑問に感じたことを質問していくといいと思います。同時にこちらからもユーザーに考えさせる質問をぶつけて、会社のあるべき姿を再確認して頂く。
そのようなやり取りを通して、お客様自身も自分の望むことがはっきりと見えてきます。
聞き取りで注意すべきことは、お客様の言っていることに必要ないことも含まれている場合があるということです。
例えば、イレギュラー処理をあたかも恒常的な業務のように話してみたり、単なる思い付きだったり...。本当に必要かどうかを判断するのは難しいのですが、経験するうちに「あ、これは違うな...」と感じることがあり、念を押す質問をするとたいていは、お客様がこの要望を引っ込めてくれます。(ただこのテクニックは経験から来るものなので、なかなか難しいですが...)

このようにして具現化した要望に対して、改善・解決策を提案します。フル提案から必要最低限の提案まで、お客様が選べるように複数の提案を用意します。フル提案がお客様にとってベストではないこともあるからです。情報システムはシステムだけできても、実際に人が運用しなければ意味がない。ですから、人が使いやすくなる運用や仕事が楽になることも考えなければなりません。
同時に大切なのは費用対効果です。この事を忘れずに提案作業を進めていく...これを行っているSE/PMは賢いと思います。
私のまわり(自社・他社含めて)にも多数のSE/PMが存在していますが、腕の良い方はいつもこのことを念頭において提案をしていると感じます。

私も力不足の点がまだまだありますが、お客様と二人三脚で理想に近づけるシステムを作り上げていきたいと思っています。
そのためにも長くお付き合いいただけるよう日々精進、これが今の私の目標です。