第15回 RFP(提案依頼書)

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前回は売り手の立場での提案について述べましたが、買い手の立場からはどうでしょうか?

より良いものを、より安価に購入したいと考えています。
普通は懇意にしている業者から情報を引出し、価格交渉をしていると思います。
ですが、いつも望み通りとはいきません。
まして競合がいなければ売り手に安心ビット(あそこはウチ以外からは購入しない)が立ち、
あまり熱心に情報提供などしてくれなくなります。
買い手としては当然、広範囲から"選択"したいと考えますから、ほかの業者にも声をかけるようになりますよね。
競合させる場合、決まった商品であれば問題はないでしょうが、
「こんなことができるような商品はない?」
というような要望だけの場合には、 売り手は該当しそうな商品を探し商品の説明を行って購入していただく。
この要望が具体的でなかったり、複雑だったりすると必ずしも買い手の望むものと一致しないケースが出てきます。
また、売り手の担当のレベルもバラバラですから理解度が異なります。
数社候補があれば、要望を全く同じように話すことができません。
A社には言ったけどB社やC社には話していなかったり、
その場で思いついたアイディアを口にしたり...といった差が発生します。
これでは提案に影響が出ます。
ある会社は必要な機能が漏れている、いらない商品が含まれている、予算が折り合わないなど...。
要望を説明する側としても時間と労力がかかる上、
期待する提案が出てこないのでは何とも徒労に終わってしまいます。
特に情報システムを導入しようとした場合、業務から運用まで複雑ですから、
すべてを網羅して要望を伝えることは難しい。
では、効率的に要望を伝えるにはどのようにすればよいでしょうか?
提案依頼書(以下RFP)を発行するといった方法があります。

RFPとは、
システムの構築・開発などを発注する際に、発注先となる会社に渡す要件(要望)などを取りまとめた仕様書です。

簡単に言えば、業務の効率化を図るためシステムを導入したいと考えたとき、
業務内容はこれこれで、現在も問題点・課題は××。
これを改善するため△△といった機能が必要で、予算は○○~○○万円の範囲で...というようなことを纏めたもの。
RFPの要望を元に提案の依頼をし、提出された提案からベストなものを採用します。
最近では、特定の候補企業を選定せず自社のWebサイトから広く提案企業を募るという方法や、
一定数の企業を指名して取引を希望する企業から提案を募るという方法にもRFPが利用されています。

では、RFPはどのようなことを記述するのでしょうか?
RFPに決まった書式はありませんが、主に次のような内容を記述します。[注1]
1.システム概要    システム化の背景、システム化の目的・方針、解決したい課題、狙いとする効果、 現行システムとの関連、会社・組織概要、新システムの利用者、予算
2.提案依頼の手続き    提案手続き・スケジュール、提案依頼書に対する窓口、提案資料、参加資格条件、選定方法について
3.提案していただきたい事項    提案企業情報、提案の範囲、調達内容・業務の詳細、システム構成、
品質・性能条件、運用条件、納期およびスケジュール、納品条件、
定例報告および共同レビュー、開発推進体制、開発管理・開発手法・開発言語、
移行方法、教育訓練、保守条件、グリーン調達、費用見積、そのほか
4.開発に関する条件    開発期間、作業場所、開発用コンピュータ機器・使用材料の負担、貸与物件・資料
5.保証要件    システム品質保証基準、セキュリティ
6.契約事項    発注形態、検収、支払い条件、保証年数(瑕疵担保責任期間)、機密事項、
著作権等、そのほか
添付資料として    要求機能一覧、
DFD(データフローダイヤグラム:データの流れを図示したもの)、
情報モデル(*)、現行ファイルボリューム、現行ファイルレイアウト

ざっと見、難しそう...、何を書けばいいのかしら...、と思いますよね。
このRFPについて比較的わかりやすく説明されているサイトがありますので、そちらをご覧ください。

ではでは、
「当社も業務の効率化を図るためシステムを導入する。導入するシステムを決めるためにRFPを作成するぞ。」
となったとします。
各部署では、

  • 業務担当者は...業務の何をどうすべきかわからない
  • システム担当者は...どのようなシステムになればいいのかわからない
  • 業者へは...どう説明すればよいかわからない
  • 役員は...提案をどう評価してよいかわからない
といったような状況になってしまうのでは...と想像します。
まして関係部署が多ければ、意思疎通がうまくいかずに齟齬は発生しやすい、取りまとめるのに苦労します。
また提案を評価するとき、システムに対する知識がないと正しい判断ができません。
システム部門やシステム担当がいない会社さんは 特に大変だと思います。
自力で作成することが難しいときは外部へ委託したり、支援を依頼することができます。
ITコーディネータの仕事の一つです。
ITコーディネータは経営系、IT系の専門知見、専門資格を持ち、
お客様の課題に対し幅広い専門性を持ったサポートを行っています。
ITコーディネータ協会またはお近くの届出組織がありますので、是非ご相談ください。

ITコーディネータ協会 ITコーディネータを活用する方へ


注1
出典:ITコーディネータ協会「RFP/SLA見本シリーズ(配布版)」