第5回 IT投資コストの妥当性

ITの導入を検討されている企業様、もしくは既に導入をされている企業様から「ITの価格が妥当なのか、わからない。」というご意見をよく聞かされます。
確かにその通り!なんですね。システム価格というものは非常にわかりにくい。
原因としては、採用する技術の組み合わせが多岐にわたることや開発を請け負う会社により単価の設定が異なることが挙げられます。

見かけは同じように見えるシステムでも価格はピンキリで、違いについて説明を求めると技術的な話になってしまいがちです。そうなると導入企業側の担当者が専門的な知識を持っていなければ判断が難しくなってしまいます。

自分たちでは「高いのではないか?」と思いつつも確認するすべがありません。
そのため、いわれるままの価格で導入してしまいます。
システム以外の運用費(ネットワーク構築費やサポート費など)をITベンダーに丸投げしているような場合は要注意です。

システム導入の際サポート費は特にチェックが必要です。
契約内容と価格が見合っているか契約内容(サポートの時間帯や対象作業など)をよーく吟味してください。
もし、契約書に記載された内容通りにサポートされていないのであれば問題です。
メンテナンスサービスはおざなり(同業者としてあるまじき行為です!)にも関わらず、高額な費用を払い続けるといったことは避けなければなりません。
場合によっては契約不履行で訴えることも必要だと思います。

また、最近では広域ネットワークの構築も増えており、通信固定費が以外と嵩んでいる企業様もあります。
ITベンダーや導入するシステムが異なる場合などは、既存のネットワークの見直しを行わなず新たに契約を結ぶように勧めるところもあります。
(ITベンダーとしては既存の環境を変更してトラブルが発生することを防ぎたいという気持ちもあると思いますが…)
そういったことが積み重なって、不要になったシステムを撤去しても回線の解約が行われずに、使ってもいない回線の固定費を毎月払い続けている…などという無駄が発生しています。
実際にリプレイス時に、ネットワークの見直しを行い、固定IPからグループアクセス(NTTのサービス)に切り換えたことで、月額5万円の固定費が減額できたケースもあります。
今一度回線の使用状況を契約書から、不要な回線の整理と最適ネットワークの見直しをお勧めします。
自分たちで手に負えないようでしたら、請求書からでも診断を行えますので、ご相談ください。

それとは逆に“安価”という理由で、やたらといろいろなシステムを購入している企業様がいます。
現状分析を行っていると業務担当者から、異なるITベンダーのシステムを利用しているため、データの連携が行われずシステムごとに必要事項を重複して登録している、必要なデータをすぐに見ることができない、データ連携のためのカスタマイズ料金が高額だ、データ連携に手間がかかる…などといった話が出てきます。
システムが安価でも管理を行うために残業してたのでは人件費のほうが高くついてしまいます。
また、判断業務で活用したいデータが遅れて出されたのでは意味がありません。

機能を網羅したひとつのシステムを導入すれば1回の登録で必要な管理が行えます。
しかも入力したその時点から必要なデータが取り出せます。
バラバラに導入していたシステムの要件を統合し、新たなシステムをご導入していただいたことで残業時間が減少し、
今まで手のつけられなかった業務(在庫の見直し等)を行うことができ、結果コストの削減に繋がったという事例もあります。

システムを導入する際には目先の費用だけでなく、導入後の費用対効果も考慮しなければなりません。

では、価格の妥当性を検討するためにはどうすればよいのでしょうか?
システム導入を検討される場合に、ぜひとも作っていただきたいのがITベンダーごとの価格比較表です。
ITベンダーから提出された見積から、ハードウェア・ソフトウェア・インフラなどの項目ごとに一覧表にまとめます。
価格比較表
図をクリックすると拡大表示されます


それを見ながら、価格の違いや付加価値は何かについて確認することで、各ベンダーの提案の違いとシステム範囲や内容、コストとのバランスを容易に比較することが出来、自社にフィットしたシステムの選択が可能になります。
それでもまだ不安があるのなら、専門知識を有した第三者(社)を交えることをお勧めします。
公平な立場で比較検討を行えることと第三者(社)が参加した状況下では、意見交換が活発に行われ正解が導き出されることが多く、相互牽制も働くので法外な価格提示はできない(はず!)です。

この第三者(社)としての役目をITコーディネータは担っており、コストに応じた要件定義でのシステム構築が可能です。
現在のようなデフレ・不景気時はITコストを出来るだけ抑えることは最低条件の命題だと考えております。
是非、ご活用ください!


発言者:(SE、ITC)A

お問い合わせ方法について

お電話・FAXでのお問い合わせ

024-963-2150 024-959-1111
受付時間 9:00~18:00(土・日・祝祭日、弊社規定の休業日を除きます)

オンラインからのお問い合わせ