第16回 「企業の私物化」について

最近、大手スーパーのD社や流通業のS社など、スーパーカリスマ経営者の失脚を分析すると、企業がうまく成功していくと同時に、経営者は会社をどんどん私物化し、荒廃させ、最終的には社会に迷惑をかけるという、日本流のワンマン経営が原因ではないでしょうか?そして、そこまでワンマン経営者に何の疑問を感じない管理者はどのような頭の構造をしているのでしょうか?(平社員は会社批判をしたら、即刻「クビ」がとぶことは必至ですので、社員を責める事は出来ません)

最近、よく「企業の寿命は30年」などの書籍を目にしますが、私はそうは思いません。ただし、経営者が私物化を始めれば、よくて30年位しか会社は存在できないと思います。その意味では、私物化しない企業はいくらでも変身するし、どんどん成長していく可能性は無限に持っていると私は考えます。最近失脚していく経営者は、対外的にはすばらしい講演を行ない、書籍に立派な事を書かれていますが,その落差には「うんざり」です。今後は、企業の資本体制と経営体制は明確に別物と考えるのが、大切な事なのではないでしょうか?大株主=経営者という今までの方程式をある程度崩していく必要性を感じます。

また、資本バランスも現経営陣を考え、ほどよくスライドさせていく事こそが重要と思われます。そうすれば、退陣後のカリスマ経営者の変な院政呪縛からも逃れるのではないでしょうか?当社の自慢になってしまいますが、今から26年前、会社設立当初に役員の子供は入社する事は出来ない事をきちんと取決めしてあり、役員は全従業員にも伝えております。26年前、当社経営陣もこの私物化が怖かったのです。社長の長男だろうが、専務の子供であろうが、会社の継承は無理ですし、入社も不可能です。せっかく、ここまで大きくした会社をかわいいかわいい子供たちに継承させないかという理由は2つあります。1つ目が上記の「私物化」、もう1つ目は継承した人物の人生の自由度が損なわれる事が理由です。経営者には血統では計り知れない、かなりの能力が必要だと思います。初代が若くして企業を興し、無我夢中で働き、若い時は社員に子供には継承させない等と吹聴し、年とともにその発言が変わっていく経営者はよくありがちな話です。やはり年とともに、我が子かわいさなのかなとも思いますが、ちょっと幻滅的な話です。ここでも、年齢とともに「私物化」が見え隠れします。受け継いだ2代目や3代目側から考えてみると、好きで会社を駄目にしているのではなく、「企業の継承と発展」のプレッシャーと「自分のスキル」とのバランスに悩んで、最終的には業績悪化の道をたどるケースが多いように思えます。すべてこのパターンに当てはまるとは言い切りませんが、親に甘やかされた2代目などにはかなりの確率で当てはまるのではないでしょうか?

では、このような私物化を防ぐ対策はあるのでしょうか?

一案として、社外取締役を設置し、社外から会社をチェックさせ、もし経営陣に「私物化」というテーマでの様々な問題点が発生したり、匿名で社員からの提言があった場合は、きちんと社外取締役の意見として、経営陣に忠告する。それをできないごますり社外取締役は即刻、解任する。もう一案としては、先代からすぐ2代目に世襲せずに、必ず別の血筋の社長にバトンタッチし、その社長の目から2代目を吟味させて決定させる方法です。昔、私の親戚筋から聞いた事のある話ですが、決してすぐには世襲させない事を家訓として、代々その家系を守り続けている会社があると聞きました。ちょっと変な感じがしますが、本当の代々繁栄するという事はそのようなリスクをクリアーして、本当の大将(社長)=親分が形成されるのではないでしょうか?

今、「企業の存在」というテーマで日本は変革しております。各社でこの「私物化」をテーマに経営陣および社員で再度企業内をチェックしてみてください。そうする事により、企業体質をよりいっそう強く出来ると確信しております。当社も社外取締役になれるような経営センス溢れるSEを育成していきますので、今後も期待しておいてください。

相変わらず、強気で生意気なSEの発言で申し訳ありません。お怒りの方はご容赦を!

発言者:(S.E.)T.Y.

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