第13回 税制改正
3月は会計事務所にとっては、まさに農繁期、確定申告の時期です。今年は15日が土曜日だったので、17日が最終日でした。私の場合、個人のクライアントは、まだ少ないのでそれほど忙しくないのですが、なかなか資料が集まらず、結局、最終日に提出した申告書もありました。提出するまでの準備期間は、2ヶ月半あるのに、個人の場合1年に1度しか会わない人もいたりするのでなかなか作業が進みません。
さて、3月は来年度(平成15年4月から)の税制改正についても国会で審議されており国税の改正案は3月4日、地方税法については、同7日に衆議院本会議でいずれも原案通り可決、現在、参議院で審議されています。間違いなく3月中には成立・公布されます。
今回の平成15年度税制改正については、法人税法、相続税法に重要な改正点があるのですが、消費税についても、事業の運営上、重要な影響を及ぼす改正が含まれています。
主なものをあげれば次のとおりです。
1.中小事業者に対する特例措置
(1)免税事業者の課税売上高を3千万円から1千万円に引下げ。
従来から、消費者が負担した消費税が納付されない益税を解消する為の改正です。これにより事業を実施している個人、法人のほとんどが消費税の納税が必要になります。
(2)簡易課税制度を適用できる課税売上高の上限を2億円から5千万円に引下げ。
消費税の計算で簡便的な「みなし仕入率」を適用できる事業者を限定しました。子会社を使用した節税対策等について見直しが必要になります。
2.申告納付制度
前年度の消費税額が4,800万円(1年間)を超える事業者は、中間申告・納付を毎月(現行3月ごと)行う事になります。消費税の未納を解消する為の改正です。
3.消費税の表示方法
不特定かつ多数の者に、物やサービスを提供する場合で、あらかじめその価格を表示する場合は、その価格の表示には消費税等を含めた価格を表示しなければなりません。
これは平成16年4月1日からの値段の表示は税込みで行わなければならないことを意味します。現状の価格の表示は税込みか税抜きかわからない場合があり、それらの表示を統一する為の改正です。小売業の場合、価格の表示方法等を今後検討する必要があります。税務の専門誌が行ったアンケートでは、総額表示だけではなく、本体価格と消費税額をともに表示する事業者が多いようです。
まだ、適用までには時間がありますが、改正点については十分に準備し対応したいものです。