第44回 租税特別措置法

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 衆議院選挙が終わり、民主党が圧勝しました。自民党政権から民主党政権に代わり、新しい時代が始まりました。景気は、大企業の一部では業績回復の兆しが見えてきたようですが、地方経済には緊急経済対策の効果はまだ浸透していないようです。

 さて、今回は民主党政権になり大きく変わりそうな、税金の話をしてみましょう。税金は大きく分けると、個別法特例法に区分されます。個別法は、我々の馴染みがあるところでいえば、個人に課税する所得税法、法人に課税する法人税法、個人・法人に課税する消費税法のように個別の税に関する課税要件等を定めています。一方、特例法は、各個別法に対する特別措置を定めたもので「租税特別措置法」と呼ばれています。租税特別措置法は、特定産業や特定企業の保護又は助成、輸出の振興又は抑制、資本の蓄積、貯蓄の奨励のために特別控除、特別償却、準備金等の租税特別措置、新税の創設、増税、減税、免税を行ないます。具体的には、中小企業の少額減価償却資産の特例や交際費課税等があげられます。

 民主党は、最優先に取り組むべき項目として今後4年間の税制改正で租税特別措置法の整理合理化を掲げています。対象になる租税特別措置法は、国税に関連するものが241項目、地方税が286項目あり、来年度改正では、期限切れを迎える47項目と期限の定められていない31項目ついて存続を判断します。判断の基準としては (1)期限切れを迎える措置を原則廃止し、延長の要望がある場合はその政策が適当かどうかを判断します。 (2)20年を超えて延長されている措置は、恒久化が必要か判断します。確かに、租税特別措置法は、特定の産業や企業の保護等を目的に設けられたものが多く、既に陳腐化したものも多く見受けられます。たとえば、沖縄の産業振興等の税額控除や特別償却等は、沖縄がこれだけ開発された現在ではその地域だけを特別扱いすることには説明がつきません。また交際費課税は、昭和29年に会社の冗費(無駄づかい)を抑制し、内部留保の蓄積を促進させるために、「交際費等の課税の特例」として設けられていましたが、期限切れのたびに延長され50年以上も適用されています。

 このような見直し作業が行われるのも政権交代のたまものです。自民党政権では、支援団体の陳情により租税特別措置法等を作成していましたが、その後実施した政策の評価が全く行われていませんでした。支援団体は、そのような税制を既得特権として考えています。今回の見直し作業は税制に関するものですが、それ以外の事業についても政府の事業仕分け作業により、我々には分からなかった事業の無駄が次第に判明すると思います。その意味でも、政権交代の意味があったのではないでしょうか。