第2回

第1回で連載のお知らせをしながら、第2回目の更新がなかなか行われず、申し訳ありませんでした。

さて、早いもので、今年も4月です。今年は、4月からのペイオフ(定期性預金の払戻保証額を元本1千万円までと、その利息までとする措置)凍結解除により金融機関の経営状況に対する預金者や取引先、株主の視線が厳しくなりました。3月には、企業の大型倒産が起こり、株価、外国為替相場、金利のトリプル安、による金融機関の破綻が続出する、いわゆる3月危機が、実しやかにささやかれていましたが、大手ゼネコンが自己破産を申し立てたほかは、大手金融機関の破綻もなく、新年度を迎えることができました。

先程のペイオフに関連して、最近クライアントからの質問で多いのが、預金を預け入れる銀行の選別方法です。先日、東京都は、それに関連し報告書を作成しました。その報告書によれば、銀行の選別方法を銀行の(1)格付け、(2)自己資本比率、(3)預金量の推移等を組み合わせて選ぶ方針とのことです。東京都は、銀行に大口定期などで歳入・歳出に絡む公金を約5千億円、基金を約1兆円預ける巨大な預金者なので、銀行の側からも、預金を獲得できるかどうかは、預金量の残高に影響を与える重大な問題となっています。

ただし、東京都が実施するような選別方法は、ほとんどの都市銀行、地方銀行が、事務所を持ち、大手信用金庫等も預金先として検討できる東京都だからこそ適用できる方法です。地方の企業の場合、地元に本店・支店を持つ銀行、信用金庫等の数に限りがあるので、何か問題がなければ、毎日事務所に訪ねてくれる、使い勝手の良い銀行または、信用金庫等を継続的に利用しているのがほとんどだと思います。

私も、基本的には、従来からの取引金融機関を継続してはどうかとアドバイスしています。それは、政府が、今年の4月1日に店舗を開けている金融機関への特別検査をかなり厳重に実施し破綻すべき金融機関のほとんどが退場させられたことによります。実際、平成13年10月から、平成14年3月までに破綻の申請を実施した金融機関は、全部で、30行以上ありました。

ただ、そうは言っても、4月以降は、1つの金融機関に1千万円以上の預金を実施して、その金融機関が破綻すればペイオフが適用され、戻らなくなる預金が発生するのは確実です。金融機関が実施している業務の性格から、融資にリスクがあるのは、当然のことです。もしこれをゼロにしようと思えば、新規の貸付をストップするしかありません。大口貸出先の企業の経営が破綻して貸付金を回収できなければ資産が大きく目減りしてその信用を維持できなくなるおそれが、どの金融機関にもあることを我々も十分理解し金融機関との取引を実施すべきです。金融機関選びに神経質にならなくても、1つの金融機関に1千万円を超えないように預金を分散すれば済む話で、金を持っている人には、持っていない人には無い悩みが一つ増えたぐらいで考えるのが良いのかもしれません。

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