第59回 家訓から何を学ぶか?(武家の家訓:No1)

現在のような自殺者増加や秩序の乱れが激しい場合に教材になるのものが無いものかと色々調査を重ねたところ、
「武家の家訓」なる蔵書を発見しました。
1972年に初版が出版された書物で、昔は良き教材として、活用されました。
第二次大戦後、家訓なるものはどちらかというと無視され、現在に至りました。
日本人は良い悪いは別として「憲法」をきっちり重視する国民性です。
同様な考えから「家訓」も再度紐どいて、ルールの再構築の為には重要なものであるのではないでしょうか?
第一回目として北条重時の「極楽寺殿御消息」から数点を記載してみようと思いました。

原書のままだと理解不能なので、現在の言葉に翻訳して下記に記します。


1:人と犬の違い

自分にとっては利益ある人には丁寧に接し、利益のない人に辛くあたるというのは誠に残念千万な態度である。
犬畜生などであれば、やさしく接する人には尾まで振って喜び、辛くあたる人に対しては逃げたり、吠えたりすることは当然であろうが、人と生まれたからには、良くしてくれる人は言うまでもなく、そうでない人に対しても丁重に接することである。
そうすれば冷たい態度をとっていた人も思い直すものである。
例え、そのままであったとしても、それによって神仏のお慈しみを受けるであろう。
また、見る人、聞く人もこれを褒めてくれるものである。
現世において辛くあたるならば、来世には人に辛くあたられてどこまで行ってもその因果は尽きる事がない。
その生涯において悪い因縁を断ち切ってしまう為には、辛くあたる人にも丁重に接しられよ。
人から良くされれば、自分の前世の善事のお陰と喜び、悪くされれば前世の罪の為と思われるように。


2:一夜の妻を選ぶ時

大勢集まって遊女を選ぶ時には、見た目にも悪く、衣装も劣ったような女を相手にするがよい。
すぐれた女には他の人も心を惹かれるであろうが、器量の悪い女は人も相手とせず、また自分もそれに迷うことがないからである。
どうせ一夜がぎりの事ではないか。選ばれた遊女もさぞうれしい事であろう。


3:恥をかかせる罪

たとえ冗談であっても、人の欠点をいうべきものではない。自分は冗談のつもりであっても人は恥ずかしく思い、そこから災いが起こることがある。
冗談ひとつ言うにも、人の喜ぶ事をいわれるように。
万事につけて注意深く、愛情深くされるように。。



北条重時は鎌倉幕府の三代執権、泰時の弟で幕府の重責を歴任した武将だが、熱心な仏教信者
としても知られる。

1に関しては、何事にも丁重に接しなさいという教えで、現在の「いじめ」問題に直結。
会社でも学校でも「いじめ」をやっていると、いじめっ子の後世の子供や親戚に不幸が訪れるという教えで、
私も部下に口酸っぱく、いつも唱えていること。
いじめていた本人は寿命で死んで終りになるが、子供や孫の代に代わり、原因は不明だが何か悪い事が次々起きる。
私はよく「前世の宿命」という言葉を使うが、この家訓の考えと共通している。

社員を派遣等で病気にしているIT経営者の方々、きっと後世にその影響は出てきます。
学校や会社での無意識のいじめや意識したいじめはやめましょう!!
その理由はこの家訓から。

2に関しては、ちょっと卑猥ですが、現在の多く存在している「売れない営業」に対する教え。
売れない営業は自分しか見えない。何故売れないか?俺のどこが悪い?と自分中心。
売れる営業はきちんと周りを見て判断する。自分意見は極力殺す。最善手を選択する。
売れている営業や先を読んだプロ営業はこのような事を実践するのではないでしょうか。

このような事をきちんと家訓に残す北条重時の「視界の広さ」を感じる。
くだらないと思った方や家訓に傷つくと思われた方は甘い。
このような事をさらりと後世に伝える事こそ重要です。
真面目な家訓はいくらでもありますが、このような視点で家訓を残した重時は天才と私は思います。


3に関しては「注意深さ」を説いています。
全ての事に細心の注意払う事こそ、敵をつくらない最大の教えと。
近年細心の注意を払えない方が多いようですが、そのような方は自然自然に敵を多く作り、いつの間にか成功の道を
自分自身で塞いでいる状態になっています。
逆に言えば、注意深く日々を送っている賢者は確実に「成功」の2文字をGETできるのではないでしょうか?


現在、不幸な方々、このような視点で人生を送るときっと「幸せ」が到来します。絶対に!!!


【参考文献】「武家の家訓」・・㈱徳間書店1972年初版


☆今後も、武家の家訓から朝倉家・武田家・毛利家等の家訓を紹介したいと思っております。
どれもこれも素晴らしい。絶対に授業で教えるべきと私はマジに思っています。
ブログ待てない方は上記参考文献の購入を!


発言者:(S.E.)Y

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