第26回 ミャンマー最新事情-3(ティラワ経済特区)

CSHグループの会社に、ミャンマーの現地法人(ファンワードミャンマー)があります。ミャンマーの最大都市ヤンゴンを訪問して目にしたり感じたりしたことを書いています。ミャンマー最新事情、今回はティラワ経済特区についてです。

2019年5月の第3回目のミャンマー出張で、初めてティラワ経済特区を訪れました。経済特区とは、行政上の特例のある工業団地です。日本ではほとんど知られていないティラワ経済特区ですが、ここは日本がODAによってインフラ整備支援をしており、日本とミャンマーの二国間協力の象徴であり、友好の最大の架け橋になっていることを、行ってみて実感しました。

ティラワ経済特区は、ヤンゴン中心街から南東23kmの近郊に位置しています。ヤンゴン市内とティラワ経済特区を結ぶ道路はこんな感じでした。自動車よりも牛さんたちが優先です。

関係ないですけど、ミャンマーの人たちは牛肉を食べません。聞くところによれば、農業国ミャンマーでは、牛は人間と一緒に働く大切な「友だち」なので、食べることはできないそうです。

ヤンゴンから車で1時間弱、ティラワ経済特区につきました。ゲートを通過して、この経済特区の管理事務所まで行くのに、更に車で10分以上かかりました。とにかく広い。工場が大きい。きれいに整備されています。産業団地と言えば、コンピューターシステムハウスのある郡山市の卸売団地、完敗です。

面積は現在造成済み分だけで583ヘクタール。ニューヨークのマンハッタン島と同じくらい、山手線の内側より少し狭いくらいです。造成計画地区全体では2400ヘクタール。なんと猪苗代湖2.5個分です!

ミャンマーの国内は、どこにいっても電力、道路、港湾など、ビジネス関連のインフラが脆弱(ぜいじゃく)です。出張の滞在中、ヤンゴンの中心地でも何度も停電しました。停電すると、街中で地響きのような「ご~ん」という低い騒音が鳴り響き始めます。それぞれのビルや会社の自前の発電機の音です。

そんなミャンマーの中にあって、ティラワ経済特区は、区域内にガス火力発電所備、浄水場、給水網、排水施設、送電線、光ファイバー通信回線、物流倉庫、保税倉庫などインフラが整っており、またヤンゴン川に隣接した港湾もあります。ビジネス環境が万全なのです。2015年に開業しましたが、開発済み区画はほとんど売り切れ、新しい造成も決定したとことでした。

ヤンゴンとティラワを結ぶ道も、いま日本の資金により急ビッチで道路工事をやっていました。1年後には大きく立派な産業道路ができそうです。牛さん、ごめんなさい・・・。

ティラワ経済特区内にある、訪問させていただいた富士フィルムさん。

途中、知っている日本の会社がたくさんありました。スズキ、クボタ、エースコック、ワコール、フォスター電機・・・。

このティラワ経済特区内には、三菱UFJ、SMBC、そして私のかつての勤務先である、みずほ銀行もありました。私の出身地の石巻にはメガバンクは一つもないのに・・・。石巻もミャンマーに完敗です。

ティラワ経済特区は、開業してまだ4年なのに既に100社以上が進出し、9000人の現地労働者、200人の日本人が働いているそうです。そして帰国直後に、トヨタがここティラワに進出というニュースが流れました。年内にも着工、投資額は数十億円とのことです。
https://www.asahi.com/articles/ASM5V3QMVM5VOIPE00C.html

これまでODAというと、国際支援という美名を借りた日本政府による大企業援助策だと、ひねくれた見方をしていました。でも今回、相手国のことを考え産業を育成すべきと考える政治家、ひた向きに取り組む役人さんがいることもわかりました。そして、このティラワ経済特区が世界でも最も成功した経済特区とも言われているのも、よく頷けました。

とにかく、ミャンマーはいま本当に熱いです。訪問するたびに新しい発見があります。訪問するたびに元気をもらえます。勇気をもらえます。将来に夢を見ることの大切さを教えてもらえます。

以前は、水道水で顔を洗うだけで下痢をするかも知れない・・・などと言う人がいましたが、(私は3回の訪問で一度も下痢していません。最近はかなり衛生的になったのだと思います)、それでも是非、日本人みんなに実際にミャンマーを訪れ、ミャンマーの熱い風を肌で感じてほしいです。

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