第38回 政治資金

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 10月も下旬になり急に寒くなりました。先日、郵便局が年賀状の注文を取りに来ました。今年ももう少しですね。

 考えてみれば安倍政権は、「政治とカネ」に翻弄された政権でした。政治資金の問題が発覚すると、記載誤り等の記者会見を開きますが、最終的には会計責任者に全て任せていたことになっています。その度に政治資金規正法の改正が必要だという話になるのですが、自らを縛るような法律は、なるべく緩く、穴をいっぱい開けておくように作るものであり根本的な解決には至っていません。

 政治資金の問題の根源は何かと問われれば、その不透明性にあります。政治家が政治資金を受取る場合、政党支部、資金管理団体、政治団体の3つの財布があります。企業や労働組合などの寄付は政党支部でしか受取れません。また、資金管理団体は、政治家が政治団体の中から1つだけ選択し政治資金の拠出を受けるために選んだ政治団体です。従って政治家は政党支部、資金管理団体を、それぞれ1つしか保有できませんが、その他の政治団体は複数保有することが出来ます。議員の中には140もの政治団体を所有する政治家もおり、資金管理団体から政治団体への寄付又は政治団体間での寄付が自由に行われるので全体像の把握が大変難しくなっています。さらに、収支報告は、それぞれの政治団体が総務省だったり、都道府県の選挙管理委員会だったりにするので政治家自身も政治資金の全体像を把握するのは並大抵のことではありません。

 現在、改正の中心は、領収書を添付することにより政治資金の使い道の良し悪しを明確にすることが中心で、添付する領収書の金額に重点が置かれています。領収書がなければ会社や税務署では決して認められないことであり、全ての支出について領収書添付は当然のことです。それよりも政治家別の収支状況を明確にするため、無制限に認めている政治団体の設立を政治家1人に1つしか認めないように改正すべきで、その後、政党支部と政治団体を連結し政治家別に政治資金の収支を報告すべきです。報告のシステムを変更した後、外部の第三者による外部監査も義務付けるべきでしょう。国民に政治資金の全体像を示すことが政治家の義務であり、政治不信を払拭する第一歩だとおもいます。

 政治資金規正法は、政治資金による政治腐敗の防止を図るために昭和23年に議員立法によって成立しました。この法律は政治資金の流れを国民に公開して、国民の不断の監視と批判を仰ぐことを通じて、政治活動の公正と公明を確保し、わが国における民主政治が健全に発達することを目的としており、そのために法律の名称も「規制」ではなく「規正」とされています。本当に社会のことを考えるのなら、政治家はまず自らを律するルールを当初の法律の趣旨に帰って改正すべきであり法律の問題点の本質を理解すべきです。