第16回 クレーム対応

早いもので7月となり、もう今年も半年が過ぎました。16回目の連載が遅くなり申し訳ございません。私が事務所を異動したので、1ヶ月分飛ばしてしまいました。まだ、荷物がすべて片付いていないのですが、パソコンだけ動くようになりました。

さて、先日の日経新聞に「失敗しない苦情対応」なる記事が載っていました。自社商品等に電話を通じて苦情が寄せれることも最近多いはず、不特定多数の消費者に商品を販売している会社であれば相手の素性がわからないので対応に苦慮することも多いのではないでしょうか。苦情処理の専門部署の人間でなくても対応のコツは身につけておきたいものです。

苦情電話を受取ったときは、正当性のあるクレームに対しては誠意を持って対応するのは当然ですが、電話だとお互いの顔が見えないので感情的になり話の入り口で「けんか」になるケースが多いそうです。実際、数年前、大手家電メーカーのクレーム処理の最中に、消費者とメーカーの担当者が口げんかとなり、その状況がネットで公開され大変問題になった事がありました。

新聞で紹介されている例では、花王の場合、クレーム処理の基本は、「説得するのではなく納得してもらう」ことだそうです。明らかに商品の使用法を間違えた場合でも、話の途中で「それは使い方が間違っています」と決め付けない。最後まで話を聞いたうえで、「正しい使い方をされましたか」と尋ねる。「恐れ入りますが」、「かってを申し上げて恐縮ですが」という「クッション言葉」を織り交ぜるのも双方の感情を和らげる効果があるそうです。確かに、クレームの相手方は、自分の金を出して買った商品に問題があって電話してくるわけで、言いたいことを言わないと、こちらの話を聞いてくれないのは当然のことかもしれません。さらに、事実関係が不十分なまま会社が責任を認めたと相手に受取られないよう、むやみに謝らないようにするのも重要です。その場合は、「私どもの商品で何かご迷惑をおかけしているようですが・・・」という言い方をするのだそうです。商品がきっかけで迷惑がかかっているのは事実だが、原因が断定できているわけではないので、この言い方なら相手の共感も得られます。また、「話し方」と並び「迅速な対応」も重要です。会社へ電話をしたところ対応できる人がいないのでしばらく待たされたり、電話をたらいまわしにされたのでは、それさえもクレームの対象になります。その場合は、電話番号を尋ね会社側から電話すべきです。

いずれにしても、クレームへの対応により、その会社の印象が大きく変わるのは事実です。いくら表向き立派なことを言っても、ずさんな対応をしたのでは、消費者はその会社の商品を二度と買わないでしょう。逆に、消費者が納得してくれる対応を行えば、消費者との絆がますます強くなります。クレーム対応は「後ろ向き」な仕事ではなく、その対応によっては会社の評価を決める「前向き」な仕事だと認識すべきです。電話があったときには、にっこり笑って話し始めるぐらいの余裕が必要かもしれません。

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