第48回 「ユーザースタンス」

年が明けて、間もなく1月も終わろうとしています。新年のご挨拶が遅くなりましたが、本年もどうぞよろしくお願い致します。

SEという職種は、お客様と打ち合わせをさせていただいて、現状分析から要件定義を行い、システムを開発するための設計作業を行います。また、当社では納品・本稼働の立ち合い・アフターフォローと長い期間、お客様とお付き合いすることとなります。
このため、お客様とのスタンスが重要となってきます。どのお客様とも同じような対応ができればよいのでしょうが、なかなかそうはいきません。微妙な匙加減が必要です。
たとえば、自分とは波長が合わないお客様の場合、普通に応対していたら駄目で、より丁寧な応対で普通と感じるようです。お客様との関係を良好に保つためには、どうすればよいのでしょうか?私なりの意見です。

①自分なりのスタイルを持つこと


自分がどういったスタイルでお客様と接してゆくのか、きちんと決め、それを守ること。これが確立していないと周りからの言葉に振り回され、その度に応対する態度が変わってしまいます。当然、お客様にもそれが伝わり不信感が芽生える原因にもなってきます。もちろん周りの意見を無視するのではなく、アドバイスとして受け止めて、自分のスタイルに取り込んでいけばよいと思います。

②貸し借り勘定を把握する


この貸し借り勘定を忘れると、信頼関係は破局します。貸し借り勘定とは、たとえばシステムにバグ(不具合)が発生した「借り1」、お客様のミスを無償で対処した「貸し1」…のように借りはお客様に助けられた回数、貸しはお客様を助けた回数だと考えればいいでしょう。ですから当然、借りより貸しを多く作らなければなりません。但し、貸しのつもりでお客様の言いなりになるのは間違いです。ご注意ください。

③ビジネスライクだけれどもフレンドリー


お客様との関係は基本的にビジネスライク。仕様変更や追加機能が発生すれば、追加料金をいただきます。いただくものはいただく、そうしなければ会社が潰れてしまうかもしれません。会社がなくなれば、最終的にお客様に迷惑がかかりますから、このことはお客様にもきちんと理解していただきます。(借りが多いなと思った時は割り引いたり、無償対応することもあります。)
お付き合いが長くなると、仕事以外の話をすることも増えてきます。共通の話題があると、より関係が密になります。できるだけ話題についていけるよう普段から、いろいろな情報に目を通します。また情報を提供することも必要です。個人的には、相談事などの話をしていただけるようになると、信頼度がUPしたなぁと思います。

④ユーザーへの想い


自分が担当した会社へは、できるだけ足を運ぶようにしています。特にバグのときは、緊急&遠隔地でなければ現地に飛ぶようにします。お客様の様子が肌で感じられるからです。“マイナスになった信頼を回復するための努力は惜しまない”ことがとても大事です。
また、SEはいろいろな会社を訪問しますので、そこから得た知識でアドバイスを行います。苦言を呈することもありますが、担当企業がよりよく成長していただきたいと思う気持ちがあれば、お客様に真意は伝わると思っています。それでも当社のポリシーが理解していただけず、袂を分かつことも…。そういったお客様から数年後に“また、お願いしたい”と言われた時、SE冥利に尽きます。




当社は総勢16人の中小企業です。吹けば飛んでなくなってしまうような会社ですから、納品したシステムは“100%稼動させる”これが鉄則です。稼働しないシステムが多ければ生き残れないし、業界から去るべきと考えています。システム稼働はSEの責任。当社ではシステムが2回稼働できなければ、プログラマへ職種を戻され修業し直しとなり、さらに3回稼働できない場合にはIT業界退職勧告が待っています。
システムを動かすためには、お客様の協力が絶対に必要となります。そのため、より良い関係を築いていくことが重要だと社員全員が認識しています。


発言者:(S.E.)A

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