第40回 ふるさと納税

毎日暑い日が続いています。地球温暖化の影響なのでしょうか。予報では今年は猛暑とのこと、体に気をつけなければなりません。

今年の4月末の地方税法の改正で地方自治体(都道府県又は市町村)に寄付をすると翌年の個人住民税が安くなる「ふるさと納税」が始まりました。ふるさと納税とはいっても文字通りの納税制度ではなく、都道府県又は市町村への寄付制度であり、従来あった寄付金控除制度の拡充と考えたほうが良いと思います。寄付金を払い込むと地方自治体から領収書を受け取ります。サラリーマンであれば通常は年末調整で所得税の納税は終了しますが、その領収書を添付し所得税の確定申告を行い所得税の還付を受けます。所得税の確定申告に基づき翌年度には住所のある市町村から個人住民税の税額控除が受けられます。個人住民税にも従来、寄付金控除の制度がありましたが寄付金が10万円を超えなければ適用を受けられませんでした。今回の改正ではその限度額が5,000円に引き下げられた他、所得控除ではなく税額から差し引く方法に変更になりました。これにより地方自治体に寄付した金額から5,000円を差し引いた金額を、住所のある個人住民税から控除できるので個人住民税を自分が納付したい地方自治体に支払ったのと同じ効果が得られます。

先日の新聞に47都道府県が直接受け取った6月末時点の累計寄付金額が記載されていました。1位は財政難を訴え大幅な歳出改善を行う予定の大阪府が693万円を集めています。2位徳島県は447万円であり現状では大きく引き離しています。地方自治体のなかには、少しでも多く寄付を集めようと焼酎と地酒のセット、地元特産の牛肉やワイン等特産品の贈呈などの特典を設けるところもありますが、大阪府では寄付を行ってくれた人に橋下徹知事のサイン入り礼状が届くだけ。代わりに財政の窮状を訴え、集まったお金を地域活性化に使うと約束しています。また実際の寄付は自分の「ふるさと」に限られたことではなく、希望する地方自治体に可能です。宮城県栗原市には6月の震災後「復興に役立ててほしい」というメッセージを添えた寄付が相次いでいます。順調に寄付金を集める地方自治体がある一方で東京、千葉、群馬、京都、広島の5都道府県は6月末時点で「実績ゼロ」、地方自治体により取り組み方にずいぶん違いがあるようです。確かに東京等の首都圏は、地方出身者が多く、「ふるさと納税」の恩恵は少ないばかりではなく、逆に本来あった税額を減少させることになります。

従来、税金は国又は地方自治体に「取られるもの」という意識が強かったのですが、今回の「ふるさと納税」はその一部ですが自らの意思により税金は自分が希望する地方自治体に「納めるもの」だという意識の変化を生んでいます。自分が行政から受けるサービスに対する対価である税金をどのように考えるか良い機会になるのではないでしょうか。

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