第5回 記憶媒体の処分

寒い日が続いておりますが、如何お過ごしでしょうか?

今回は、CD-RやDVD、USBメモリ、デジタルカメラなどのメモリカード、ハードディスクなどの「記憶媒体の処分」について書いてみようと思います。皆さんは記憶媒体を処分する際に、どのような手順で処分を行っているでしょうか?また会社であれば、手順についてきちんと定められていますでしょうか?
記憶媒体の処分は、弊社で取得・運用している情報セキュリティマネジメントシステム(ISMS)でも、手順について明確に定めるように要求されており、情報漏洩防止の観点からも重要です。

まず、一番処分することが多いと思われるCD-RやDVDですが、こちらはCD-RやDVDメディア用のシュレッダーが各社から発売されており、家庭用のものも販売されておりますので、こちらを使うのが安全で間違いない方法かと思います。少ない枚数であれば、カッターナイフなどで記録面(レーベル面)に傷つけて破壊する方法もありますが、剥がれた記録面(アルミ)が飛び散ったり、ケガをする恐れもありますので、あまりお薦めは出来ません。

USBメモリやメモリカード、ハードディスクはそうそう買い換えたり、廃棄したりするものではありませんが、たくさんのデータが入りますので、廃棄したり他人に譲ったりする前には、必ずデータ消去を行う必要があります。データ消去と言うと、『ファイルを削除して「空」にする』『フォーマットを行う』といったことが挙げられると思いますが、残念ながらこれらの方法では、ファイル復旧ソフトを使うと、比較的簡単に復元出来てしまいます。ファイルの削除やフォーマットは見かけ上、「空」になっているだけで、実際のデータはまだ媒体上に記録されています。これらのファイルを完全に削除するには、物理的に破壊して読めなくするか、ファイルに無意味なデータを上書きして、元のファイルを別のデータで置き換えるしかありません。
USBメモリやメモリカードであれば、物理的に壊すことも可能ですが、ハードディスクになると媒体が金属のケースで覆われているため、専用装置でないと安全に破壊することが出来ません。
そこでこのような記憶媒体は「データ消去ソフト」を用いて、ファイルを無意味なデータで上書きする方法が取られます。消去する媒体が大量にある場合や、重要機密を含んでいる場合などは、データ消去サービスを行っている業者もあり、データ消去後に本当にファイルが削除されているかどうかまで確認をして報告書を出してくれるサービスもありますので、そちらを利用する方法もあります。

台数が少ない場合や個人のパソコンやメモリなどの場合は、データ消去ソフトが数千円で市販されており、そちらを利用するか、無償のオープンソースソフトウェア(OSS)もあります。弊社では、USBデバイスやSCSIデバイスなどにも対応しているOSSの『DBAN』というソフトを使用しています。有償ソフトと無償OSSで機能的な違いはあまりないと思いますが、無償OSSにはサポートがなく、操作画面も英語表示のみとなっているため、若干敷居は高いかも知れません。一方市販ソフトであれば、操作手順書やメーカーのサポートなどもありますので、スキルに合わせてご選択頂くのが良いかもしれません。

ご紹介: DBAN(英語) (外部のサイトになります)

正しい手順で処分を行い、情報漏洩を防止しましょう。

情報セキュリティ管理者:J

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